長短

長短(장단/チャンダン)

一楽曲が持つ固有のリズム形(rhythmic patten)を「長短」と言う。長短は、一定の速度のリズム形でチャングやプクが演奏する。大きく正楽と民俗楽に分け、正楽の長短は、各曲の基本長短を始めから最後まで、ほぼ変化なく一定に演奏する。それに比べて、民俗楽は音楽のノリ、奏者のノリにより、基本長短を保ちながらも変化に富み一層楽しくなるよう演奏する。

旋律が楽節により「起」「結」「解」の変化を音の陰陽の配合、或いは音の生死脈と称し、その生死脈による旋律の起伏を「起・景・結・解」とする。

音(歌や旋律)の生死脈により伴奏も音を変化させ「起・景・結・解」を作り出す。決まった楽譜は無く、即興で組み立て配合し演奏をしなければならない。
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例:パンソリで使用する長短は、「진양/チニャン」「중모리/チュンモリ」「중중모리/チュンジュンモリ」「자진모리/チャジンモリ」「휘모리/フィモリ」「엇모리/オンモリ」「엇중모리/オッチュンモリ」


진양/チニャン

パンソリで最も遅い長短。「진/ジン」は「긴/キン(長い)」の全羅道の方言で、「양/ヤン」は「놀양/ノリャン」の「노래하는/ノレハヌン」の意味である。
3分拍6拍子(8/16))を1刻とし基本4刻24拍子を1長短と言う。

중모리/チュンモリ
チュンモリは「中間速度で追い立てる」という意味である。語源の話はここでは省略することにする(時間がある時に改めて更新します)。チュンモリはパンソリの長短の中ではチニャンの次に遅い。チュンモリ長短は、普通の速度12拍子(4/12)であり、音を結ぶ場面では9拍目を強く打ち、「다는 장단/タヌンチャンダン(付ける長短)」では、弱く打ったり、又打たなかったりする。さらに、3拍ずつを4刻に分けて打つときは「起、景、結、解」とする。

중중모리/チュンジュンモリ
チュンジュンモリはチュンモリの中間速度、即ち、チュンモリの半分の長さの速度と理解すれば分かりやすい。速い速度の12拍子で、3分拍で少し遅い4拍子(8/12)で構成する。音を結ぶ場合は9拍目を強く打つ。

자진모리/チャジンモリ
チャジンモリは「頻繁に追い立てる」という意味である。一般的には4拍を数える。拍ごとに3拍に分けて数えると12拍となる。

휘모리/フィモリ
速い4拍で2分拍に分け「せき立てる」という意味である。長短の中で最も速いテンポである。

엇모리/オンモリ
オンモリは3+2+3+2と3拍と2拍を混ぜて混合でとても速い10拍である。食い違うようにしながら追い立てるという意味である。

엇중모리/オッチュンモリ
普通の速度で6拍で4/6で表記する。チュンモリの速度と同じで、拍数はチュンモリの半分である。チュンモリの節拍毎に食い違うようにという意味である。


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